高い声で歌う

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はと出張音楽教室の蔭山です。

 

歌が好きな人をはじめ、非常に多くの人たちが、
「高い声を簡単に出せたらいいなあ」
と考えていることと思います。

テレビでふと見た歌手が高い音を悠々と歌っているのを見たり、
ドラマやアニメのテーマソングで高い声を武器に歌っているのを聴いたりすると、
「自分もあのように歌えたらなあ」と思ったりしませんか。

海外はどうか分りませんが、少なくともこの日本では、
「高い声が出せる=歌がうまい」といった風潮さえあります。

 

私が以前に教えていた声楽の生徒さんに、
アルト~メゾソプラノあたりの低めの声の女性がいらっしゃいました。

彼女はいつも「高い声を出したい」と望んでいて、
高く可憐なソプラノ声を出せる女性を羨んでいました。

そしていつも、
「私は高い声が出ないからいけない。ヘタクソです」
と決め込み、ひとりでに悩みを抱え込んでいたのです。

 

その人も、高い声の簡単な出し方を望んでいたわけですが、
結局、月2回の60分レッスンを1年ほど続けていた頃、
前触れもなくお辞めになってしまいました。

私が思うに、自分のことを卑下しすぎてしまって、
疲れてしまったのではないか?とも考えています。

 

さて、彼女が高い声を簡単に出すには、
いったいどうしたら良かったのでしょうか?

 

高い声を「芯のある声」で出すための王道法

 

高い声といっても、このページをご覧になっている方は、
芯のある声」というものを求めていらっしゃることと思います。

裏声のような弱い声ではなく、
地声さながらの芯のある高い声のことです。

というわけで、その声を簡単に出せる王道法についてお伝えしましょう。

 

もったいぶらずに結論をいいますと、
王道法は、

 

レッスンに通いつつ末永く訓練すること

 

です。

 

「それのどこが王道だよ!」
「もういい!このページは全く役に立たん!」
「なんだ、話を教室宣伝に持っていくつもりだったか」

と思った方、きっといらっしゃると思います。

たしかに、今のあなたにとって、
上記3つの感想は正しいものです。

 

しかし、王道といえば、やはり鍛錬を積むこと。
第三者(専門の人)の指導を仰ぎながら、
自分の力で地道に努力を続けていくことなのです。

 

ハッキリ言ってしまえば、

簡単に出せるようになる方法があるというのなら、
今頃すでに高い声を出せるようになっているはず
です。
その裏技が、すでに世に広まって浸透していてもおかしくないです。

 

でもそんな方法がないからこそ、
今こうして悩まれているのではないですか?

中には、独学でちょちょっとやっただけで、
偶然高い声を出すことを早く習得する人もいるでしょう。

そして、あなたがその事実を知ったとすると、
おそらくその方法をマネしようとするかと思います。

でも、それがあなたにふさわしい方法かどうか?
と言われたら、必ずしもYESとは言えません。

 

だから、専門の第三者に個人的に声を聴いてもらったり、
コーチングを受けたりしながら、
とことん訓練を積むことこそが「王道」であるわけです。
とりわけ “ 才能 ” がない場合は、努力で伸し上がるしかありません。

 

強いてヒントをいえば、

  • まず自分の自然な素の声(地声)を見つけること
  • とにかく自然に歌える範囲の地声を安定させていくこと

です。

 

高い声というと高い声を出しまくる練習が真っ先に思い浮かぶでしょうが、
そうではなく、自分の自然な声を見つけて(←意外に難しいです)、
それから自然に歌える中低音あたりを確かなものにしていくことが先決ですね。

それができずしての高音訓練は理想ではありません。
力ばかり入ってうまくいかず、最悪声帯を壊してしまいかねません

※ 関連記事:
まずは自然な歌声を目指そう!それが声楽上達への第一歩!

別途裏声から攻める練習もアリかもしれませんが、
芯のある声を出すには中低音の安定化は必要不可欠です。

 

高い声が出せるようになるまでの期間

 

こればかりは人によるので、たしかなことは言えません。

 

その「高い声」というのが、あなたにとってどの音域を指すか分かりませんが、
漠然と考えれば、元々地声が高めの人のほうが早く出せるようになります。

また、その手の才能があれば、やや低めの声の人でも、
割と早く出せるようになるかもしれません。

でも当然ながら、元々低い声であればあるほど、
声帯の形状の都合上、
芯のある高音を出すにはそれなりの苦労をやはり伴います。

 

元々不器用な私の場合はどうかといえば、
例えばピアノの真ん中のドのすぐ上のソ(自然に出せるソの1オクターヴ上の音)なら、
これを比較的気持ち良く出せるようになるまでに10年は要しました

まだまだ磨く余地は果てしなく有り余っていますが、
音大・大学院に通っていてさえ、その期間を含む10年を要したわけです。

 

まわりには、半年~1年で出せるようになる人もいれば、
元々出せてしまう人もいました。

センス、生まれ持った声帯、練習方法・コツ、努力の度合い、ひらめき等々
こういったものによって、出せるようになるまでの期間は変わってきます。

いや、出せるようになったとしても、
ただ出るだけではいけなく、歌として使い物にならなきゃ意味がありません

 

そういったことを考えると、
「高い声が全然出せない!」と嘆いている人にとっては、
きちんと出せるようになるまで少なくとも5年程度は見積もったほうが良いかもしれません。

あくまで「少なくとも」なので、
人によっては10年、いや20年かかる場合もあるかもしれません。

まあ、どの程度出せたら「出せるようになった」と言えるかは人それぞれですが、
何とか使い物になるまでには、
相当の期間を要するということを肝に銘じたほうが良いでしょう。

※ 当然ですが、途中で訓練をサボったりしたらダメですし、
 ある程度融通の利いた練習をしないと新たなひらめきも得られません。

 

冒頭の元生徒が高い声を出すにはどうすべきだったか

 

冒頭で挙げた元生徒さんは、
長らく合唱をやっており、以前も別の先生に習っていたそうです。

しかし、結局ミ(自然に出せるミの1オクターヴ上)の音さえままならず、
残念ながら私の元を去ってしまったのです。

 

私も、なぜモチベーションを上げてあげることができなかったのか、
なぜもっと希望を持たせることができなかったのか、
大変悔やまれましたし、やるせない気持ちでいっぱいです。

 

ただ、ひとつふたつ彼女の欠点を挙げるとすれば、

  • 練習不足のままレッスンに臨んでいた
  • 自分の素の声を嫌いすぎていた

となります。

 

いつも忙しそうにしていましたし、
1年経っても改善されていない姿勢の問題などもあったので、
日頃、あまり練習に取り組むことがなかったのだと私は判断しています。

それから、魅力的な低音ボイスだったのにもかかわらず、
それを毛嫌いし、高い声ばかりに意識が集中しすぎていたことも、
なかなか高い声が出せないひとつの原因だったと思います。

彼女は、まず自分の素の声を安定させ、低音を強みとすることが、
高い声を出すために必要な過程だったと私は考えています。
そのためには、やっぱり自分の声を好きになることだったはずです。

 

彼女の士気を弱まらせてしまった私のマネージメントもいけなかったですが、
とにかく自分の声を好んだ上で、長い目を持って、
自然に出せる音域を鍛えて安定させていくことが大切
なのではないでしょうか。

 

簡単に出せるようになっても、簡単ではない

 

禅問答のような見出しですが(笑)、
訓練を積むことで、高い声は比較的簡単に出せるようにはなります。

けれども、勘違いしていただきたくないのです。
鼻歌のように簡単に歌えることは決してありえないのですから。

 

高い声を出すには理想的な呼吸や支えが必要で、
それはいわば全身を使った歌い方です。

簡単・・・。身に付いてしまえばそう言えると思いますが、
私自身簡単なことだと実感したことはないですし、他の声楽家もきっとそうです。

 

コンディションが悪い日は安定しにくいことだってあります。
生身の身体だからこそ、絶対的な「簡単」は存在しないのです。

 

では、さらば!

 

 

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