合唱部員の水樹は,友人の影村と共に,音楽の宿題に関する話題で会話をしている。下記の会話文を読み,後の問いに答えよ。

 

  • 水樹「おい影村!ちょっと教えて」
  • 影村「何?」
  • 水樹「この旋律なんだけどさあ」

  • 影村「これがどうかした?」
  • 水樹「馬田先生にさ,三和音と七の和音を使って伴奏を付けてこいって言われたんだが,さっぱり分からん」
  • 影村「とりあえず和音をジャーンジャーンって付ければ良いだけだよ。何でもいいから書いてみなさいな」
  • 水樹「・・・こうか?」

  • 影村「そういうこと!・・・でもさ,これ変だよ。ちょっと弾いてみるよ?」
     

 

  • 影村「最後だけ合ってるね(笑)さあ,どうだった?」
  • 水樹「立派じゃねぇか!」
  • 影村「はぁ!?まあ,音楽に答えはないだろうから否定はしないけど,もう少し楽典らしい伴奏は付けれないかなあ?」
  • 水樹「バカじゃねぇの?だったらお前が伴奏付けて見ろよ」
  • 影村「いいよ」
  • 影村「即興で書いたから完璧じゃないかもしれないけど,まあこんな感じかな。弾いてみると・・・」
     

 

  • 影村「どう?」
  • 水樹「待てよ。馬田先生が言ってたのは三和音と七の和音だぞ?お前の書いたのは4つの音の和音ばっかじゃねぇかよ」
  • 影村「【A】」
  • 水樹「音同士の音程がポイントってことか」
  • 影村「そう!ちなみに,一番強力なドミナントはどこか分かる?」
  • 水樹「・・・は?何の話?」
  • 影村「どうやら分からないみたいだね。【B】」

  • 水樹「・・・なんかむかつく」
  • 影村「で,今度は和音を分散させてみるね!すると譜面はこうなるよ」

【C】
(譜面)

  • 影村「ピアノで弾くと・・・」
     

 

  • 水樹「な,なんでそこまでできるんだよ。天才?」
  • 影村「こんなの才能とか関係ないね。楽典の知識がまあまああって,ピアノもある程度弾ければ,このくらいならできるようになると思う」
  • 水樹「・・・ピアノ,習おうかな」
  • 影村「いいと思うよ!そのほうが楽典の力も補強されると思う」

 

 

(1)Aに入る発言としてふさわしいものは,次のうちのどちらか。

 

 ア: 三和音とか七の和音ってね,音符のたまの個数ではなく,複数の音名の音がどういう関係性でもって存在するかで判断したときの名称なんだよ
 イ: 音符のたまの個数と各音程の状態によって呼び方が決められてるんだよ

 

(2)Bに入る発言としてふさわしいものは,次のうちのどちらか。

 

 ア: 一番強力なドミナントは,最後の小節の前半だよ
 イ: 一番強力なドミナントは,2小節目の後半だよ

 

(3)Cに入る譜面としてふさわしいものは,次のうちのどちらか。

 

 ア:

 イ:

 

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答えは・・・・・

 

(1)ア (2)ア (3)ア

 

今回は和音編最後であり、応用的な問題でした。(3)は聴音面からも攻めることができる設問でしたが、それは正直至難の業です。でも、理論から攻めることが可能です。イの譜面には、ドミナントとなっている最後の小節の前半の下段に G がありますが、「これは Gis であるべきだ」と気づくことができれば、瞬時に解答できたかと思われます。分散前の和音が大きなヒントになっています。
なお、Gis は、今回の旋律の調の音階における導音(主音に導かれるべき音)であるため、最後に終わり感を醸し出す重要な存在でもあります。しかも、ドミナントは、トニック( など)へ向かう性格のある和音機能ですから、導音の性格との整合性もとれます。さらに、属七の和音( 7 )が用いられているドミナントは、他のドミナントに比べて強力です。

来週からは「速さ・強さ」に入ります。これまで重たい内容が続いたので、少し気が楽になるのではないでしょうか。

 

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